インド占星術鑑定室 -Astrological Academy-

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歴史上の人物

皇帝ナポレオン1世

チャート

 ナポレオン・ボナパルトは、コルシカ島の下級貴族の家に生まれながら、自らの才覚とフランス革命という社会混乱期の機に乗じて、皇帝の位にまで登り詰めた人物である。しかし、ロシア遠征の失敗、ワーテルローの戦いの敗北により、大西洋上の孤島セントヘレナ島に流され、失意の晩年を送る。こうした波乱万丈の彼の生涯はホロスコープにどの程度まで表されているだろうか。詳細に検討すると、見事なまでに検証される。

 ナポレオンのラーシチャートの主要点にのみ着目してみることにする。彼のラーシチャートの特徴は、10室の蟹座に象徴的に示されている。10室は、政治権力、職業、社会進出運を表す。蟹座は情緒性を表す水の星座であると同時に、積極的行動力のある活動星座でもある。

 ここに4,5室支配のRYKで機能的に吉星化している土星が在住している。10室はウパチャヤハウスであるので、生来的凶星の土星が在住することは大変強力な力をもつことになる。即ち改革、建設、高い専門性、リーダーシップ能力があることを意味する。ナポレオンは「革命の申し子」と言われ、伝統社会の破壊の中から急進改革派であるジャコバン党の支持を受けて、まず陸軍砲兵の軍人として認められる。後に将軍にまで出世成功した。執政就任後の彼の治世は、自由と人権思想、ナポレオン法典、産業革命の推進等破壊ばかりでなくフランスひいてはヨーロッパ近代化の為に大きく貢献している。

 一方、対向の4室には10室支配の月が在住している。4室は母親、身近な親しい人、支配者からの引き立て、乗り物等意味がある。月は孤独性を表すケマドルマではあるが、waxingであり満月に近い。又、方角の強さも得ているので強い吉星として機能している。土星と月は星座交換しており4室と10室の相互のはたらきを更に強めている。ナポレオンが終世、母親に頭が上がらなかった事、大変な家族思い、兄弟思いで一族を皆権力の座にすえた事などつとに有名である。政治のライバルからは憎まれても大衆からも愛された人気者であった事も強力な月の吉星としての作用であろう。ただ、ケマドルマヨガでもあるので、家族を愛した割には期待は裏切られ続け、その意味では、心の寂しさ、孤独感はまぬがれない生涯である。

 10 室には9,12室支配の水星が在住し、これも機能的吉星である。こうなると4室、5室、9室、10室がラージャヨガを組むことになるので、ナポレオンの社会的名誉権力を表す10室は最高水準にまで高められる。皇帝位につくのもむべなるかなである。しかし、ラーシチャート以外のナバムシャ、ドレッカナ、ダシャムシャ等の分割図はそれほどの強さはない。これが彼を安定した皇帝に置かなかった大きな理由と思われる。